新聞の特殊指定見直し問題
公正取引委員会が、新聞や出版物などに適用している「特殊指定」の廃止をめぐって日本新聞協会は2005年11月2日に声明をだし「新聞の特殊指定見直し表明に関する声明」を出し新聞は民主主義の基礎である国民の知る権利に応え、公正な情報を提供するとともに、活字を通じて日本文化を保持するという社会的・公共的使命を果たしているとした上で廃止は再販制度を骨抜きにし新聞の価格競争を生み新聞販売店の撤退と個別宅配網の崩壊に繋がるとして特殊指定の見直しに対し現行制度の維持を求めています。
これに対して公正取引委員会は新聞の特殊指定が独占禁止法違反にあたる恐れがあること、価格競争を回避したいのであれば新聞社と販売店の間の再販契約で対応すればよいと反論しています。
またかねてから指摘されている押し紙や新聞拡張団の問題や前出の公正取引委員会の反論について日本新聞協会側は事実上黙殺しています。
この問題をめぐっては一部地方自治体の議会が特殊指定の維持を求める決議を出し、国会でも各党の議員が特殊指定廃止に反対する議員連盟を作るなどの動きが起こっています。
犯罪被害者実名公表問題
近年、犯罪被害者に対してプライバシーを侵害してしまうなどとの理由により被害者の実名を伏せて警視庁が公表するケースが多い。
2005年10月より犯罪被害者に対して実名を公表すべきとの意見書を内閣府に提出しました。
それに対して日本新聞協会は被害者へのプライバシーの配慮がないといった強い批判があります。
日本新聞協会について
新聞、放送、通信各社を会員とする、文部科学省所管の社団法人です。
昭和21年7月23日設立しました。
主な活動内容
・新聞倫理綱領・新聞販売綱領・新聞広告倫理綱領などの制定。
・取材や報道に関する声明・見解・意見書等の取りまとめと発表。
・ルール集「取材と報道」のとりまとめと広報。
・表彰事業:新聞文化賞、新聞協会賞、新聞広告賞、技術開発賞など。
・関連団体:財団法人日本新聞教育文化財団。
記者クラブの反対派の主張
外国では広報担当者が、情報を公示する、あるいは会員制でなく登録制の記者会見を開くことで全く同じ目的を達成しており、日本のような会員制の記者クラブが必ずしも必要とはいえません。
未然に発表すると害をなすかもしれない情報を公表しないようにするのは、警察の責任で記者クラブの責任ではないと指摘されています。
犯罪捜査において、二次犯罪、あるいは犯人の逮捕に必要な場合は警察が裁判所に報道禁止を申請すればよい。
未成年、被害者、および被疑者の実名や写真の掲載も立法によって処理されるべきであり、また欧米先進国ではそのように扱われています。
また法的の根拠が無い場合に、報道の規制を恣意的に行うのは法治国家として問題です。
最近では、欧州連合から、記者クラブは情報産業の寡占を維持する組織であり、特に外国の記者が締め出されるのは、非関税の貿易保護政策に当たるとの批判が展開されました。
これをうけて外国人にも記者クラブへの参入が可能になりました。
しかし欧米のマスコミで日本に常時専属記者を置ける会社は少数で、ほとんどは、臨時の記者に記事の執筆を依頼している状況でこれらの記者は記者クラブの会員になることはできません。
よって記者クラブが外国の組織に開かれたとしてもその影響は乏しいとして記者クラブの存在そのものがいまだに問題となっています。
記者クラブの擁護派の主張
記者クラブを設置することにより、官庁などでは公式発表などを迅速にメディアに伝えることが可能となります。
特に伝える側が発表時刻を記者クラブに連絡して報道を簡素化できます。
同時に、記者室には報道各社毎の通信設備も設置でき、取材から編集までの時間が大幅に短縮できます。
また、地方自治体においても、情報を提供したい場合などに上位の自治体に設置されている記者クラブに連絡することにより情報発信が容易となります。
さらに、一定の信頼性を有するメディアに所属する記者などに限定して情報を発表することにより、歪曲された報道を抑止する効果も持つことができます。
極めて慎重に扱うべき問題を発表する警察機関などでは、報道被害を未然に防ぐ意味でフリー記者を排除する一定の合理性が存在することも否定できません。
また、歴史的に一定の信頼関係を築いてきたメディア所属の記者と、信頼関係を築いていないフリー記者を同列に扱うのは間違いであるという主張もあります。